これは
この世界に、僕と君の2人だけがいれば幸せだと思う僕と
自分達だけじゃなく、世界中のみんなが幸せになってこそ幸せだと思う君の
ほんのちょっと あべこべな2人のおはなし。
「どうしたの?バルフレア。」
虫の鳴き声もモンスターの気配も感じない真夜中。
こっちこっちと手招きする俺の方へ向かって、急いでこちらに向かってくる。
「突然どうしたの?夜は早く寝ろと言うのはいつもあなたの方なのに…。」
「そうだな。だが今日はトクベツなんだ。」
「トクベツ??」
何か記念日でもあっただろうかと考え出すの手を引いて、
2人で座るには充分すぎる大きな岩の近くまで来た。
「滑るなよ。」
「す、滑らないったら!」
先に岩に登り、よく足を滑らせては落ちかけるを引き上げてやる。
ゆったりと腰掛けて、見上げた先にあるもの。
「うそ…すごい!降ってきそうなほど星が沢山!」
「な?今日はトクベツだったろ。」
「うん!私…こんな星空見たことない。」
どこかの国のように、オネエサンが天気を教えてはくれないが飛空艇を扱う以上、
天気や気候には細心の注意を払っている。
そうしたら、丁度今日の夜 ナントカ流星群など何だのが来るらしく、今に至る。
「…ありがとう、バルフレア。私…とっても嬉しい!」
と2人きりで過ごす時間が、一番好きだ。
シュトラールを操縦している時より、最高の獲物を手に入れた時よりも。
誰にも奪われたくないし、誰にも邪魔されたくない。
「この世に君と俺の2人だけいればいい。」
そう言えば 優しい君は怒るだろうが
限りなく叶えたい願いであって、限りなく本音に近い。
コノママズット キミト フタリデ イタイ。
「私も、時々思うよ?2人きりがいい、って。
でもバルフレアかっこいいから…私、世界中の女の人に恨まれちゃう。」
「……………は?」
この間言ったときには、「不謹慎だよ」と言って怒ったはずだ。
だいたい、それなら俺は世界中の男供から恨まれちまうぞ。
「だ、だからっ!みんなに祝福されたいし、う 羨ましく思って欲しい気持ちもあるっていうか…!」
「っ!」
「もうやだ…!私がすごく欲深い女だって分かるから黙ってたのに…。」
嫌われちゃう、とじわじわ目に涙を溜め始めたを引き寄せ
これでもかというくらい抱きしめる。
「ばーか、嫌わねぇよ…。」
「…ほんと?」
「あぁ。むしろ……。」
「すっげー嬉しい。」
「朝までこうしてたいね。」
「でも寒いぞ。」
「さむくな…くしゅっん!」
「………ほらな。戻るか?」
「やだ、一緒にいたいよ…。」
「それは俺も同じだ「だったら!」
「今日は優しくしないで。私の体調気遣わない、意地悪な人になって。」
君は魔法が得意だけど、銃はそれほど上手くない。
僕は銃が得意だけど、魔法はそれほど上手くない。
君は僕を、「恥ずかしいこと」を平気で言う人だという。
でも僕にしたら、君のほうが「恥ずかしいこと」を平気でやってのける人だ。
だけど、凸凹コンビは息がとれるとよく耳にする。
正反対のくせして、お互いにないものを補い合って生きてる。
これはこの世界に、
僕と君の2人だけがいれば幸せだと思う僕と
自分達だけじゃなく、世界中のみんなが幸せになってこそ幸せだと思う君の
ほんのちょっと あべこべで 凸凹コンビな2人のおはなし。
凸凹
こっそり隠してある文字があるのでマウスで色々やってみてください。