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あの日は 珍しく天気が良かった。
ミストの荒れ、雪が降り誰も知らない村の中が
皮肉なくらい綺麗な夕焼けで包まれていた。
ボロボロに傷ついて、村に帰ってきたあの子を見たとき、どうしようもなかった。
呼吸もある、心臓だって動いている。
なのに、目を覚まさない。
私が、いなければあの子はあんなことにならずに済んだんだ。
私が、この村の「希望」でさえなければ
誰も傷つかなかった。誰も、死ななかった。
私はこの村を救うための「希望」ではないの?
それなのにどうして守りたいものばかり無くなっていってしまうの?
「主よ、どうかこの子だけはお救いください…!どうか…どうか…」
夜が訪れても眠ることなく、ただ祈り続けたある日。
「お前の祈りは聞いた。―――その者を救いたいのか?」
ふと頭の奥で声がして。
それを神のお声だと、疑う瞬間など一度もなかった。
いまこのチャンスを逃したら、この子は助からない。
必死になって、助けを求めた。
「お願いです!この子は私の所為でこんなことになってしまった。
私の命などどうなっても構いません!
どうかこの子を…この村をお救いください!!」
「ならば誓い、そして祈れ…。
その誓いを果たす時、お前の願いは届くだろう…。」
神に与えられた誓いを守る。
その為には、ここに居てはいけない気がした。
私がここにいたら、誰かがまた犠牲になる。
それは、嫌だった。
私はその2日後、今までの私を捨て
この村を出た。
「ここがラバナスタね。綺麗な国だわ。」
砂漠に咲く一輪の花のように。
「…だけど、何かしら。
まだ夜明け頃だというのに騒がしいわ。
何かあったのかもしれない。少し急ごう…!」
聖なる衣に包まれ、誓いを背負ったその少女は
今、王都の門をくぐる。
***
始めてしまいましたFF12長編。
プロローグのつもりだったんですけど特にいらないお話に…;
文才が欲しいです。
後々このプロローグの話が出てきたらなぁと。
「なるほど、こういうことね」って言ってもらえるように頑張ります!
ちなみに。結月の夢小説は妄想の塊です。
「本当にゲームで出てくるなら…」を前提に書いてるので 突拍子も無いところから登場します。
ご理解ください;すいません。